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「私」が、男が脱ぐところじゃないかと疑った理由はなんでしょうか?

“「は、犯人はどっちですか!?」
「こっちの角、ここを曲がりました。早く!」
 私は荒井刑事に声をかけながら、先頭を走った。正直なところ、こんな運動は私の趣味ではないのだが。
 私は用心して壁に身を隠しながら、曲がり角を覗く。
 そこにはドアが4つあった。
 私は荒井刑事に目で合図をしながら、次々と扉を開け放った。
 1つめの部屋は空っぽだった。人の隠れるようなスペースもない。
 2つめの部屋には男女がひとりずついた。二人は抱き合っていたらしく、扉を開けられると慌てて離れた。
「だ……誰ですか、アンタたち!?」
 3つめの部屋も空っぽだった。
 4つめの部屋を開け放つと、そこでは服を着替えている男がいた。ズボンにつっこんだ右足片方で立っていたので、私たちにビックリして、そのままその場にひっくり返る。
 「なっ、なんなんですか!?」
 「ここでなにをしていました?」
 私が語調きつく聞く。
 「なっ、なにって……服を着ていたんですよ。私服から作業服に」
「こっちに逃げてきた容疑者もそのつなぎの作業服を着ていました!」
荒井刑事が勢い込む。
「お、俺は今から作業服に着替えるところですよ!」
「ふうん?」
 荒井刑事が、部屋の奥のドアに気が付き、指さした。
「誰か、ここを通りませんでした?」
「そういえば、作業服の男が、この部屋を通り抜けて、あっちの裏口に……」
 私は男の言葉を遮った。
「いや、まず、あなたを調べさせてもらいましょう。まずは片脚で立ってみてください」
「?」
 男は不思議そうな顔で、左足一本で立って見せた。
「やっぱり。そのつなぎの作業服、着るところじゃなくて、脱ぐところだったんじゃないですか?」”

↑「私」が、男が脱ぐところじゃないかと疑った理由はなんでしょうか?
ヒント1を見る▼
左足が軸足の場合は、ズボンを穿くときには無意識のうち左足から穿くものです
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
ズボンにつっこんだ右足

解説

右利きの人間は、ズボンを穿くときには絶対に無意識のうち左足から穿きます。左足が軸足だからです。脱ぐときはそうとも限りません。
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