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大貫氏は日本商社の現地支配人に命を狙われていました。「私」はどこでそれに気が付いたのでしょう? 大野銀三郎の発言の中から探し出してください。

“ 私にだって、いろいろとしがらみがある。断れない仕事もある。今受けている、大野建設のワンマン社長大野銀三郎の護衛というのがそれだ。
 そんなわけで、私は、今タイの高級ホテルに大野氏と共に滞在している。
 「飲みたまえ、探偵君。ロマネ・コンティだ。キミは飲んだことがあるかね? わははは」
 大野氏は私に酒を勧めてくる。
「いや、私は仕事の最中は飲まないことにしているので……」
 「このロマネ・コンティもこのホテルのオーナーからの差し入れじゃ。ワシほどの大物ともなると、ホテルの支配人も気を使いよる!」
 自慢そうに大野氏は大笑いした。
 「では果物を食べるかね? ワシは酒も好きだが、実は果物が大好きなんじゃよ。
 南国は本当に美味くて変わった果物が多い。だが日本には食品管理法の関係で持ち込めないものが多くてな。だからワシは、ときどきこうやって仕事にかこつけて、東南アジアに来て、果物を食べまくるのじゃ。わはは……。
 会社の現地支配人たちも承知しててな、今日も色々な物を差し入れして来おったわい。北村物産のマンゴー、東川通商のドリアン、南野興和のライチー、株式会社ニシモリのドラゴンフルーツ……」
「なんですって?」
 私はフッと不穏なものを感じ、部屋の入り口を開けた。
「あっ……」
 そこには先ほどロマネ・コンティを届けに来たボーイが、中の様子をうかがうように立っていた。
「あっ、あ……、お、お客様。なにか体調に変化はありませんか?」
「残念ながら、ないですよ。先ほどの酒はオーナーからじゃなくて、日本の商社マンに頼まれたんじゃないですか? そして、様子を見てこいと」
「ど、どうしてそれを……」”

↑大貫氏は日本商社の現地支配人に命を狙われていました。「私」はどこでそれに気が付いたのでしょう? 大野銀三郎の発言の中から探し出してください。
ヒント1を見る▼
差し入れを一つずつ確認してみましょう。 答えがあるはずです
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
東川通商のドリアン

解説

"果物の王ドリアンは、現地では“アルコールといっしょに摂取するとお腹の中で異常発酵して腹が破裂する""と信じられています。
 東川通商の支配人はドリアンと酒を差し入れすることによって事故に見せかけて大野氏を殺害しようと企んだのです。
 しかし実際には、ドリアンと酒の食い合わせで病院に運び込まれた人は現在のところいないそうです。"
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