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証言の中のウソというのはどこでしょう?

“ 「ひゃあ。高いですね。サスペンスドラマで犯人が告白をするところみたいだ」
 海辺のガケから下を覗いた荒井刑事が言った。
 男性が海辺の崖っぷちで殺された。切れ味の鈍い刃物……例えば模造刀のようなもので、何度も切りつけられたようだった。
「ふうむ。犯人は、ここで被害者を殺した後、武器を谷間に捨てたんでしょうか」
 私が言うと、遠藤警部が頷いた。
「そうだな。今、鑑識が崖の下で凶器らしい剣を回収しているところだ」
「しかし、剣とはね……」
「あそこにある被害者の別荘から持ち出された、ブロンズの騎士が持っていた剣だと思われます。こちらが目撃者で、別荘で働いている田中あゆみさんです」
 荒井刑事が目撃者を連れてくる。
 「崖の上で、旦那様と誰か背の高い人物が、向かい合って話してるところが見えました。逆光で細かくはわかりませんが……。
 そのうち、ふたつの影がもみ合って……男の人が剣を大きく振りかぶり、旦那様に斬りかかったんです。
 私は悲鳴を上げましたが、男の人は何度も剣で切りつけ……旦那様が倒れたあと、剣を崖下に投げ捨てました。
 ちょうど崖の下は影だったのですが、剣が岩に当たって火花を散らしながら落ちていくのが印象に残っています」
 「細かいな。なかなか信用出来そうに思えるが……」
 遠藤警部が私にそう囁いたとき、荒井刑事が凶器を持ってきた。私はさっそくそれを検分する。
「……ブロンズ製ですね?」
「そりゃブロンズの騎士が持ってた剣だそうですから」
「警部。どうも彼女の目撃証言はあてにならなそうですよ?」
「なぜだね? ワシは細かい描写にリアリティを感じたが」
「そこがウソだという証拠です」”

↑証言の中のウソというのはどこでしょう?
ヒント1を見る▼
ブロンズ(青銅)は減摩性の金属です。 ということは…
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
火花を散らしながら

解説

ブロンズ(青銅)は減摩性の金属で、岩や他の金属とぶつかって削れることはあっても、火花は散りません。そのため、昔は火薬を詰めた砲弾の材料に使われていたくらいです。
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