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なぜ「私」は事故ではなく事件だと分かったのでしょう?

“白樫団地の共用テラスで、転落事故が起こった。
錆びついたフェンスの老朽化を不安視する声が上がり、補修工事の手配をしたすぐあとのことだった。

「まあ不幸な事故だとは思うのだが…」
「死んだ朝野さんはあまりテラスに顔を出さない人だったそうでな、そこが引っかかっているんだ」

転落事故に関する資料を受け取り、私はざっと目を通した。
現場周辺で見つかった物はそれほど多くない。
朝野さんのそばに落ちていたのは、ピカピカの釘、朝野さんの財布と、部屋の鍵、壊れたフェンスの残骸。

事故が起きたのは昼だったので共用テラスには人がたくさんいたが、聞き込みの成果は芳しくない。
ごちゃごちゃしていたせいで、誰も他人の動きを気に掛けていなかったのだ。
変わったことといえば、補習工事を依頼した業者の作業員が、現場の下見に来ていたことくらいだった。

「なるほど…遠藤警部。これはたしかに、事故ではないかもしれません」
「やはりそうか!」
「ええ、下見に来ていた作業員が怪しいです。事情を聞いてみてください」”

↑なぜ「私」は事故ではなく事件だと分かったのでしょう?
ヒント1を見る▼
壊れたフェンスは古び、錆びていました。
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
ピカピカの釘

解説

フェンスが錆びていたのですから、当然釘も錆びているはずですが、落ちていた釘はピカピカ光っていました。工事の作業員なら、新しい釘を持ち歩いていても不自然ではありませんね。
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