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なぜ「私」は老人の正体が分かったのでしょう?

“変装が得意な大泥棒、有瀬が資産家の家から有名な茶器を盗み出した。
逃げ出した有瀬を追ったのは荒井刑事。
有瀬は資産家の屋敷の使用人の制服を着ていて動きにくいはずなのに、軽やかに走る。

荒井刑事も頑張って喰らついていたが、階段で引き離されてしまった。
下からはのぼりきった先の道が見えないほど長い階段だ。
最後数段で小太りの老人を追い抜く頃には、有瀬の姿は見えなくなっていた。

階段を上りきると、その先の道は3本の分かれ道になっている。
先程追い抜いた老人に、荒井刑事は有瀬がどの道に行ったか尋ねた。

「その人なら左へ行ったよ」
しかし、左の道を行っても有瀬を見つけることはできなかった。
「いや、すっかり息が上がってしまって…」
「あの老人はのぼるのは遅かったですが、まったく息を切らさず、けろりとしていました」
「あのように歳を取れればいいのになぁ…」
しみじみと言う荒井刑事に事実を伝えてよいものか迷ったが、私は伝えることにした。
「荒井刑事…おそらく、その老人は有瀬ですよ」
「な、なんだって!?」”

↑なぜ「私」は老人の正体が分かったのでしょう?
ヒント1を見る▼
小太りの老人が階段をのぼったらどうなるでしょう?
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
まったく息を切らさず

解説

小太りの老人が階段をのぼれば、普通息が切れますよね。有瀬は荒井刑事の視界から外れるところまで階段を上り、そこで老人に変装したのです。
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