座礁後も被害者がしばらく生きていた証拠とはなんでしょう?

“外町大悟の趣味は海底に沈む宝探しだった。宝といっても、単に金銭的な意味ではない。自身の記念となるような骨董品だった。そのお宝に囲まれて死ねたのだから外町大悟は幸せだと言えないことはない。

外町のヨットが海岸からそう離れていないところで座礁しているのを見つけたのは地元の漁師である。中にあったのは外町の死体だった。
問題は彼が死んだのが何時頃か、不明なことにある。座礁したときの衝撃でどこかに叩き付けられた事故ならば外町は座礁時、つまりこの日の干潮時午前12時頃に死んだことになる。
座礁の衝撃で止まったのか、壁に埋め込まれたアナログ時計の針が午後11時52分を指していた。

「座礁で電気系統がやられて止まったんでしょうから座礁時間ですね。
このあと外町がしばらく生きていたとすれば、殺人の可能性が高いですが。どちらかわかる証拠を捜しましょう」
私と一緒に座礁したヨットに乗り込んだ荒井刑事は、キャビンを見回した。
「僕には何が何だかわかりませんが、なんだか値打ちものだと言うことだけはわかりますよ……これ、なんか古くて高そうですね?」
荒井刑事の指す燭台のろうそくは床に対して傾いて溶けていた。
他にも、割れたものを補修した飾り絵皿や古いイカリが壁に掛かっていたが、どれも傾いていた。
床にはカップ類が割れて散乱していた。ヨットに磁器のカップを積むのもどうかと思うが、沈没船からのお宝だったのかも知れない。銛やダイビングの道具はすべて、船室の片側に偏って転がっていた。
「見つけましたよ、荒井刑事。被害者は座礁後もしばらくは生きていました。殺人の可能性も考慮して捜査してください」”

↑座礁後も被害者がしばらく生きていた証拠とはなんでしょう?
ヒント1を見る▼
キャビン内にあるもののうち、不自然なものがありますね
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
ろうそくは床に対して傾いて溶けていた

解説

ろうそくが傾いてついていたのなら、座礁後に溶けたものです。
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