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バイト店員が11時に開店の用意をしてなかったという証拠はなんでしょう?

“ 「お客さん。無料コーヒー、いかがですか?」
 喫茶店のバイト店員が、小さなコーヒーポットを持ってきて、聞いた。
 「それじゃあ、一杯もらいましょうか」
私は読んでいた文庫本を閉じ、カップを差し出した。
「はい……あっ」
 あまりにもぎりぎりまで入っていたコーヒーは、ポットの下をまわって、こぼれてしまった。
「す、済みません、お客さん……」
「いやよくあることですから。大丈夫、濡れていないですよ」
 と、その時。
「こら。藤木!」
 マスターが奥から出てきて、バイトの店員に怒った。だがすぐに私がいることに気が付いて、バイト店員をカウンター内に呼び、小声で小言を言い始めた。
 私はつい、悪いクセで耳をそばだててしまう。
 「藤木。おまえ、今日、遅刻しただろう? 今日私は遅くなるから、おまえが店を開けておけと言っただろう?」
「あ、開けてましたよ。ちゃんと1時間前、11時に。ちゃんとコーヒーも作って火に掛けておきました。開店と同時にモーニングコーヒーをサービス出来るように」
「本当か?」
「ほ、本当ですとも。ほら」
 店員は手にしたコーヒーポットを見せた。
「だが、はす向かいのパン屋のおばさんが開いてなかったと……」
 そして、私はまた悪いクセで、ついつい真実をしっかりと言いたくなる。
「店員さん。ダメですよ、そんなウソをついちゃ」
「お客さん、11時からいたんですか?」
 マスターが言う。
 「いや、ついさっきこの店に入ったばっかりですがね。11時に開店の用意をしていたなんて、ウソはいけないですね、店員さん。ひょっとしてコーヒーはついさっき、火に掛けたんじゃないですか?
 ウソはいけませんよ、ウソは」”

↑バイト店員が11時に開店の用意をしてなかったという証拠はなんでしょう?
ヒント1を見る▼
コーヒーを1時間も前から火に掛けていたということは、コーヒーポットの中のコーヒーはどんな状態になっているでしょうか?
これでもまだわからないですか・・・?
答えと解説を見る▼
ぎりぎりまで入っていたコーヒー

解説

1時間も前に火に掛けたのなら、もっと蒸発して量が減っているはずです。
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